東 誠三 略歴
1962年生まれ。
スズキメソードの片岡ハルコ氏の下でピアノの基礎教育を受けた後,東京音楽大学付属高校から東京音楽大学へと進む。故・井口愛子をはじめ、野島稔、中島和彦の各氏に師事。
83年日本音楽コンクール優勝で注目を浴びた後、フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院に留学し、J・ルヴィエ、J・C・ペヌティエ氏らに師事。日本国際、モントリオール(カナダ)、カサドシュ(アメリカ)、ポッツォーリ(イタリア)など、数多くの国際コンクールに優勝・入賞し、演奏活動に入る。
これまでに、ヨーロッパ、北米、中国でリサイタル、オーケストラと共演。国内では93年日本フィル定期デビュー(ブラームス協奏曲第1番)の後、NHK交響楽団、読売日響、東京都響、大阪センチュリー響、仙台フィル、神奈川フィル、山形響、九州交響楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢など、主要オーケストラにソリストとして招かれ、好評を博す。 98年には、「ショパン 24の前奏曲」の演奏により、第24回ショパン協会賞を受賞。99年仙台フィル定期演奏会では、広上淳一(指揮)とラフマニノフの協奏曲第3番を共演し、圧倒的な成功を収めた。
ソロ活動の一方、室内楽にも強い意欲を示し、東京フィルコンサートマスター三浦章広(Vl)、N響主席藤森亮一(Vc)と結成したボアヴェール・トリオでの活動をはじめ多くのトップソリストたちと共演し、絶妙なコラボレーションを聴かせている。 CDは「ベートーヴェン:悲愴&告別ソナタ、シューベルト:即興曲Op.90」につづき「ラ・カンパネラ リスト名曲集」がいずれもセイコーエプソンから発売されており、各方面より好評を博している。「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第1集~魂に刻まれた音の記憶」「第3集~新たなる道へ」「第4集~際立つ個性の迸り」「第5集~友情と恋愛」は、レコード芸術2010年4月号、11月号、2012年1月号、5月号にて特選盤に選ばれた。また、「前橋汀子?ヴァイオリン名曲100選」 (ソニーミュージック)をはじめ、共演盤も数多い。
現在は、多忙な演奏活動と共に、東京芸術大学教授を務める他、東京音楽大学非常勤講師、国際スズキメソード音楽院教授などで後進の指導も行っており、ピアノ界を担う存在の一人として期待を寄せられている。